Lady Mari

ウェストハイランドホワイトテリア

初めてのお散歩

動物病院でワクチンなどを済ませて、いよいよお散歩だとはりきって出かけた日のことはよく覚えています。

マリも喜び勇んでしっぽをぴんと立てて先頭を足早に歩きます。

 

登りの坂道の石の階段を元気よく勢いよく一気に登っていくのでこちらもリードに引っ張られながら走ってついていきます。

少々こちらはバテ気味ですが、さすが狩猟犬だけあってスタミナがあるなと感心したところ、登りきるとすぐさまくるりとユーターンして今度は大急ぎで来た道を下っていこうとします。

後ろからついていく私達はいったい何事かと思いましたが、マリに遅れて頂上に着いた一瞬、オールドイングリッシュシープッドッグの巨体が見えました。が、すぐにリードに引っ張られるので連れられて同じように走って下るしかありません。

 

後ろを振り返るとそのオールドイングリッシュシープドッグが階段を登りきったところからこちらの方向を呆然と見下ろしています。

自分の姿を一目見るなりお尻を向けて去っていく子犬をどう思ったのかは分かりません。

 

なんてかわいい大型犬、さわってみたいなと思い、下に着いてからマリにもう一度行こうよと声をかけたのですが、もう帰り道の方向しか見ていません。

頑として向きを変えようとはしませんでした。

下に降りた後も、まだ安全ではないとでもいうようにひたすらそこから遠ざかろうとしています。

 

恐らく、マリがいたペットショップには大型犬はいないようでしたので、初めて見る大型犬に驚いたのでしょう。

目のないお化けだと思ったのかも知れません。

 

大慌てで必死の形相で焦って一目散にびゅーんと逃げるマリの姿が可愛らしく思ったのですが、小生意気でやんちゃなくせに怖がりで弱虫なんだなとも思った出来事でした。