出来ないふりと「やって」
マリは人間にやってもらった方が楽で便利だということにすぐに気付いたようで、何かと人に頼ってきました。
例えば、ソファに登るとき、抱っこしてあげてもらった方が自力で登るより楽なようで、ソファに上がりたいときは、こちらの方をアイコンタクトしながら、ぴょこぴょこと軽く飛び上がります。まるで、登れない~出来ない~と言っているかの様です。
いつも何か催促する時はこのようなしぐさをしていました。
一応登れるはずなので、これは出来ないふりしてやってもらおうとしています。
言いなりになるのもと思い、自分で!、と声をかけると、不服そうなうなり声を軽くあげながら、よいっしょとばかりに力んで登るのですが、苦労して逆上がりをしている様を想像させてなんだかちょっとかわいいのです。
それに、自分で登れるでしょう、と話しかけた意味をちゃんと理解でき、会話が成り立つのがとても楽しいです。
足の指に石ころが挟まると、足を軽く上げながら、とってという表情でこちらを見上げます。
おもちゃのボールがソファの下に転がって取れなくなると同じように軽くジャンプしながら知らせてきます。
この時の表情がちゃんと相手に意図が分かるようにそれぞれの状況に最適な表情をするのが面白いのです。
本当に人間にそっくりな表情をする犬でした。
いっしょに暮らすうちに学んだものもあるでしょうが、元々犬には相手を観察して相手の表情を読み取る習慣があり、それが人間の社会でも共通のことなので人と暮らすのに自然に生かされるのでしょう。
人間が犬と一緒にいて安心し信頼できるのはこの共通点があるためでしょう。