Lady Mari

ウェストハイランドホワイトテリア

子犬の遊び方と甘噛み

犬と暮らし始めて一番驚いたことは、子犬の遊び方の激しさです。

ぬいぐるみを与えてみると、すごい剣幕でぬいぐるみに体当たり、噛みつき、振り回します。まるでワニのデスロールのように容赦なく徹底的に攻撃します。

一緒におもちゃで遊ぶときに、おもちゃをデスロールのようにひねっても粘り強く執拗に噛みついて離さず正直言って、かなり怖かったです。

自分も襲われるかもなんて恐怖を感じてしまうほどです。

 

ぬいぐるみで遊ぶ様があまりにも怖かったので、かわりに硬い素材のキーホルダーを与えると、それもさかんに噛んだり振り回したりしていました。

かちかちに硬いはずのキーホルダーが見る見るうちに傷だらけになっていくのを見てさらに怖くなりました。

 

かなりダメージを与えるまでおもちゃを離さないところは、狩りをする犬種だからでしょうか?

本で調べると、穴に住む小動物を狩っていたそうですが、穴は犬しか入れない大きさで人間もあれこれ指示出来ず、手助けも出来ず、一人で戦わないといけない為、テリア気質と呼ばれる独特の性質が尊ばれたそうです。狩られる側も必死でしょうから死闘の覚悟がある勇気のある独立独歩の性格でないと難しいのでしょう。

 

たしかに、強烈な個性をもつ負けん気の強い自我の強い犬でした。

人の指示通りにするより、自分の意志で決めるようなところが子犬のころからありました。

 

ですから、犬と暮らすというよりも人が増えたような感覚でした。

人と犬の感情に差異はないと感じるようになりました。

人の言葉も理解しているようで、自分のことが話題になると内容によって表情を変えるのでした。

 

こちらの表情も読み取ってくれて、私がマリを怖がっていることも気付いたようです。

安心させるように時々おもちゃを離すと、わたしのそばに近寄ってきて無邪気な笑顔を向けるのでした。そんなことを繰り返しているうちに、だんだんと心が通い合い、マリが牙を持っていても私を襲ってくることはないのだと信頼できるようになりました。

しかし、この経験から、犬を怖がる人の感情も理解できる気がします。

 

マリが人を良く観察し表情を読んで行動していることに本当に驚きました。

歯が生え変わる時期になると、手の指を甘噛みしてくるようになりましたが、こちらの顔色をうかがいながら申し訳なさそうに噛んでくるのです。

ちょっとでも手を動かしたり、痛いと声を上げると、すぐに噛む力を緩め、まるで謝っているようにぺろぺろと舐めるのです。

飼い主を噛むことはいけないことだとちゃんとわきまえているようで、遠慮がちにかなり気を使いながら噛んでいました。

指がちょうど噛むのにほど良かったのか、おもちゃよりも指を甘噛みすることを好みました。甘えていたのかもしれません。

 

しばらく甘噛みさせていましたが、しつけの本を読んだら、そのまま噛むことはくせになるからやめさせるようにとあり、慌てて、一度、駄目!と言ったら、すぐにピタリとやめてくれました。急に方針を変えるのは混乱するかもと思いましたが、やはり、悪いことと思っていたようで、禁止したことは正しい判断と認めてくれたようです。

 

このように、納得したことは律儀に守る素直な賢さを持っていました。

そのかわり、納得しないことは無視されましたが、マリがいつも正しかったと思い出します。